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ユングの生涯やユング心理学の成立過程、「元型」「コンプレックス」といった基本概念や夢分析についての解説に加えて、神話、童話、錬金術、東洋思想、宗教と心理療法との内的なかかわりを考察する。宗教から心理学の道に入った著者が長年の研究をもとに、いきいきとした筆致でつむいだユング心理学への誘い。「魂の医者」として生涯を送ったユングの多様な業績を、ユング派精神分析の第一人者が案内する格好の入門書。
「ユング心理学というのは別に体系だった学問ではない。しかし、やはり体系や構造があるように思う。概念なども固有の語彙や用語ももち、時に精神分析とは特に同一の用語を使いつつその意味内容が全く相違するという所もある。それに、その構造では、ある程度進まないと全く分からないというやっかいなことがある。ちょうどコンセントに電気を入れるとパッと全体が照し出される電気機械のセットのように、今まで部分が分かっていても全体がもう一つ分からなかったところが電流が通ると、一度にパッと分かるというような性質をもっているのである」
(第1章「ユング心理学との出会い」より)
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