取り寄せ不可
わたしにとっては初めての宝物でも、
彼にとっては、すぐに消える戯れのキス。
裕福なジェナー家の家政婦の娘ソフィアは、御曹司エリックを慕っていた。
彼が全寮制の名門高校へ入るためにニューヨークへ旅立ったとき、
ソフィアはまだ13歳で、心にぽっかり穴があいたようだった。
それ以来会うこともなく15年が過ぎた今、ソフィアは職を求めて、
不動産帝国の王者となったエリックのもとへ足を運んだ。
1年前に病を得て、前の仕事を続けられなくなってしまったが、
女手一つで1歳の双子を育てるには、どうしても働く必要があるのだ。
面接の結果、みごと雇われることになって喜んだソフィアの脳裏に、
かつてエリックにされた初めてのキスが甦り、彼女は自らを戒めた――
忘れなさい。あれは彼が覚えてさえいない、ほんの戯れだったのだから。
ロマンス界の頂点とも言うべきRITA賞に輝いた経歴を持つサラ・M・アンダーソンによる、情熱と瑞々しさを併せ持ったシンデレラ・ストーリーをお贈りします。少女時代の恋心が疼くソフィアですが、エリックは“社員は決して口説かない”と心に決めていて……。
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