取り寄せ不可
迷子の天使がくれた、初めての恋。
孤独だった彼女は喜びと涙を知った。
手元の食料はしわしわのじゃがいもだけ。赤ん坊のミルクもあと少し。
クレアは妹の遺児を引き取って育てていたが、限界が近づいていた。
仕事も辞めている今、もう赤ん坊の父親にすがるしかない。
しかし、最後の頼みの綱だった富豪パトリックは、妹との関係を否定した。
クレアはタクシー代を渡され、けんもほろろに追い払われてしまう。
万策尽きて途方にくれていると、今度はパトリックが彼女を訪ねてきた。
「赤ん坊は亡き兄の子だと思うから、いっしょに育てたい」と言って。
ほほえむ彼を、クレアは出会った中でいちばんすてきな男性だと思った。
でも子どもを育てるなら、パトリックに恋をして関係を複雑にはできない。
裕福な彼は貧しいわたしを哀れんでいるだけ。誤解してはだめよ……。
穏やかでやさしい時間が流れる、C・アンダーソンの物語の世界へ読者のみなさまをご案内します。ぜひ今作では、ヒーローとヒロインが飼っている犬にもご注目ください。自分に素直な動物は、実は飼い主が胸に秘めた恋心をかわりに伝えているのかもしれません。
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