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2016年のアピチャッポン・イヤーや、2018年の『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』の大ヒット、今年の『家族のレシピ』『マルリナの明日』の劇場公開など、近年東南アジア映画への注目が集まっている。
この夏、国際交流基金アジアセンターが主催する、日本と東南アジアの文化交流の祭典「響き合うアジア2019」が開催される。その一環として、国際交流基金アジアセンターと公益財団法人ユニジャパン(東京国際映画祭)は、2019年7月に東南アジア映画の特集上映「東南アジア映画の巨匠たち」を開催し、アピチャッポン、ガリン・ヌグロホ、メンドーサ、エリック・クー、リティ・パンの巨匠作品などをピックアップして上映する。
本特集上映の公式カタログも兼ねる本書は、5人の作品をはじめとする上映作品の巻頭特集を行うほか、フィリピン、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシアなど独自の文化を保ちデジタル時代の新世代が育っている各国映画について、歴史を紐解き、監督たちのインタビューや対談を交えながら、躍動する東南アジア映画を多角的に紹介するガイドブックである。
また、この特集上映と同時期に「響き合うアジア2019」の企画として、国際交流基金アジアセンターによりアピチャッポン初の舞台作品『フィーバー・ルーム』、ガリン・ヌグロホの新境地「『サタンジャワ』サイレント映画+立体音響コンサート」も上映・上演されるため、本書では巻頭で狭義の映画を超えたこの2作品も特集している。
本書は映画を通して各国の地域事情に対する新たな視座をもたらすとともに、世界に衝撃を与え続ける東南アジア映画を知るための必読書となるだろう。
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