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喫茶店の一隅にひっそり身をおいて さてと 途方が ゆっくり首をもたげている (「喫茶店の一隅に」)
魂 おしずかに
「雲の溜息だけが一人 ゆれている/あのほとり/改札をすませた おひとの消息が/そっと」(「雨、鶸が鳴いている」)。いま、立っているその場所が駅。魂の水分の匂いが残る、一本の蝋燭のような秋はさびしい―。北陸の風土を背景に、「木立ち」抒情派の詩人が紡ぐ、そぼ降る声霊の草迷宮。
装画=佐中由紀枝
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