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デジタルテクノロジーが人間にもたらす変革・自由と限界。そして共生について
本書では、テクノロジーが生み出される“工学”と呼ばれるプロセスが非常に創造的であること、そしてこのことから工学がもてはやされ競争が激しくなってしまい、聡明な若者がナードと呼ばれるようになっていることを説明します。
エンジニアはモデルと抽象を用い独創的な人工の世界をどのように築いているのか、そして現在では人間がこれまでに公開してきたものすべてをポケットに入れて持ち運べるようになるなどの驚くべき能力をどのようにして提供しているのかについて解説します。
しかしだからといってテクノロジーに限界がないわけではありません。陰と陽のバランスを保つため本書の後半では、一部で暴走ぎみのデジタルテクノロジーとコンピューテーション(計算)&人工知能に対する熱狂への反論を試みます。
本書のタイトル“プラトンとナード”は2つの考え「知識・テクノロジーが人間とは無関係に存在し発見される」「人間は知識やテクノロジーを発見するのではなく作り出す」を対立させるものです。そして「ナード」とは主観的で斬新な作り手であって既存の真実を採掘する者ではありません。
本書からコンピューターサイエンスと歴史、その哲学・論理、そして数学についてなど多くのことを学ぶことができます、若者が工学の道に進むことを検討したくなる一助となれば幸いです。
MIT Press『Plato and the Nerd:The Creative Partnership of Humans and Technology』の日本語版。
Part 1 陽
第1章 壁に映る影
第2章 自然法則の発明
第3章 モノのモデルのモデルのモデルのモデル
第4章 はかないハードウェア
第5章 しぶといソフトウェア
第6章 進化と革命
Part 2 陰
第7章 情報
第8章 ソフトウェアの限界
第9章 共生
第10章 決定論
第11章 蓋然性と可能性
第12章 最後の考察
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