「はじめに」より
本書は幼児期における手先の不器用さのための基礎トレーニング(『手先の器用さを育てる保育ワーク』ひかりのくに刊)の姉妹編としてのワークブックです。このワークブックで使われる『不器用さ』とは、手先の不器用さだけでなく、自分の体の理解や運動などの発達の遅れ、目と手をお互い上手に使えない、集中力が続かないなどの様々な問題を指しています。
本書は、手先を使う描画トレーニングをさらに進め、物の方向性や大小などを取り入れたより細かい動きを行うことにより、考える力を育てるワークブックです。目からの情報で手先を動かすこと(Eye-Hand Coordination/目と手の協応)と物の方向性や大小などを把握し認識する空間認知能力は、読み・書き・計算などの基礎学習力では必要不可欠な要素です。これらの不器用さは発達が気になる幼児・児童(いわゆる気になる子)にも見られます。特に、空間認知能力は物の位置・方向・姿勢・大きさ・形状・間隔など、物が3次元空間に占めている状態や関係を、素早く正確に把握・認識する能力で、将来を予想したり物を組み立てたり作ったりする能力や、自分の位置や他者との関係を表現する言葉をつなぐ能力など、考える力の発達に重要な役割を果たします。このワークブックは、これらの目と手の協応や空間認知能力を育てることにより、基礎学習力に必要な能力に加え、考える力をより発達させることを目的としています。子どもたちが本書の描画トレーニングなどを楽しみ、それが子どもたちの育ちの一助となることを望みます。
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