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精神分裂病は最大の難病の一つである。その基本障害の性質は、さまざまな形で言語化されてきた。「精神内界の失調」(ストランスキー)、「指揮者のないオーケストラ」(クレペリン)、「燃料のないエンジン」(シャラン)など。本書の著者ミンコフスキーは、比喩からは真の科学は生まれないとし、「現実との生ける接触の喪失」という概念によって、単なる臨床的疾患であることを超えた、ある特殊な〈病的な人間〉の人間学的把捉をここに試みたのである。
この概念は、自閉性から出立する。自閉性には、「豊富なる自閉性」と「貧弱なる自閉性」があり、この後者が分裂病の統一的理解にとって重要性をもつ。なぜなら、一つの疾病を規定すべき基礎は、侵された人格の欠損面を明らかにすることから、得られるからである。
ミンコフスキーの本書は、その師ブロイラーを乗りこえた新しい理論を打ち立てた――L・ビンスワンガーとともに、哲学の援用を受けることによって、最近精神医学のパイオニア的役割を果たした――ばかりでなく、きめの細かい精神病理学的記述によって、精神分裂病の理解のための一般的案内書として、読書界にながい生命を持ちつづけている。
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