子らのゐて

子らのゐて

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出版社
ふらんす堂
著者名
御子柴明子
価格
2,970円(本体2,700円+税)
発行年月
2019年6月
判型
四六判
ISBN
9784781411378

◆第一句集

三十歳で途切れてしまった

長男のアルバム。

その思い出と

それからの母の思いを

残したいと思い立って

編まれた句集。

小児精神科医として

俳句作者として

喪失感と虚無感から

立ち直る力を与えられたのは

新たな幼い命だった。

(帯・西村和子)



◆西村和子抄出

振り向けば雪嶺がまた別の顔

凧揚げて売りて故宮の秋日和

秋晴も秋風もガラスの向かう

屋根掴む氷柱魔王の指のごとし

冬の朝遺品の時計遅れ気味

雪片のとどまらず時とどまらず

炬燵から出よとばかりに電話鳴り

子らのゐし葡萄の粒のやうな日々

月朧ろ天上の子と酌み交はす

産み月の威風堂々嫁小春

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