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あなたは、何かを学ぶときにその内容や方法、そして学んだことを外へ向かって明らかにする方法(発表/評価)などに関して、選択肢を提供された経験がありますか? あるいは、教える立場にたったとき、生徒たちに選択肢を提供したことがありますか?
著者は「教える際に選択肢を提供することは、生徒の学び・やる気・成績を高めるための最も効果的な方法だ」と言い切ります。そして本書の中で、なぜ選択肢を提供することが大切なのか、どうすればそれが可能なのかを明快に示していきます。「選択する学び」を可能にする学習環境のつくり方、教師と生徒に求められるスキル、実践する際の注意点、異なるニーズや興味関心への対応、レディネス(学習者の側に学びに必要な条件や環境が整っている状態)にある生徒を対象に試すことのできる多様なアイディア……「選択肢を提供する授業」をすぐに始められるよう、具体的な手順が分かりやすく説明されます。しかもこの手法は、あらゆる教科・学習対象に使えるものなのです。
選択することを通して学ぶ際に必要となるスキルは、(入試のためのスキルと違って!?)学校や大学を卒業してからも、つまり生涯を通じて役立つものであり、その価値は計り知れません。そのなかには、ピア・カンファランスやコーチング、そして自己評価能力などが含まれます。
不幸なことに現代の教師は、自らの信条とは関係なしにプログラム(日本では教科書)や教育方法(アクティブ・ラーニングなど)を上から強要されています。そのためもあって「教える」という行為が薄っぺらで退屈なものとなり、単なる活動の連続になってしまっています。著者は言います、「教師が選択肢の提供の仕方を学べば、生徒が目的や楽しみや情熱をもって取り組めるようサポートできるようになり、生徒も教師も学校に来るのが楽しみになる」と。あなたも本書を通じて、能動的・主体的な学びを創出してみませんか?(よしだ・しんいちろう)
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