【新作能「沖宮」公演】
2011年の東北の大震災をきっかけに、水俣病を描いた小説『苦海浄土』で世界的に評価をえている作家・石牟礼道子と、染織の無形重要文化財保持者・志村ふくみは、現代日本への危機感を募らせ、次世代に残したい最後のメッセージを新作能「沖宮」に託した。発案から7年。石牟礼が逝去した年、本公演は志村家のプロデュース、石牟礼の後援者、チケット購入で応援する一般の賛同者の支援により実現した。本公演は日本中から注目をあび、熊本以外のチケットは即日で完売となった。
国立能楽堂で行われた東京公演は、美智子皇后陛下が公式に観覧された。現代に誕生した新作能として、日本の美の最高峰といえる能楽である。
【新作能「沖宮」あらすじ】
新作能「沖宮」は石牟礼の育った天草を舞台に、戦に散った天草四郎と生き残った幼い少女あや、そして、人々の死と再生の物語である。干ばつに苦しむ村のために、雨の神である龍神への人柱として亡き天草四郎の乳兄妹であるあやが選ばれる。緋の衣を纏ったあやは、舟に乗せられ一人沖へ流されていく。やがて稲光とともに雷鳴が轟き、あやは、天青の衣を纏い現れた天草四郎に導かれ妣なる國である“沖宮”への道行きが始まる。
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