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全力で和平を追求した近衛首相は、外交大権を振りかざす外務省興亜派と、軍事統帥権を握る、陸軍・統制派に阻まれ、限られた裁量権の範囲内で、妥協を強いられた。
開戦責任はどこにあるのか。
戦犯に指定された近衛文麿は、出頭期限の前夜、親友に対して、「自分が罪に問われている理由は日支事変にあると思うが、責任の帰着を追究していけば統帥権の問題になり、窮極は陛下の責任ということになるから、自分は法廷で所信を述べるわけには行かない」と語った。
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