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第一部では、彫像の背縫い線の歪みや衣端の?の表現も見逃さない徹底した作品観察と律蔵文献をはじめとする膨大な史料を駆使することにより、古代の仏像彫刻が纏っている衣の呼称や実態、さらには現代の僧侶が着用している衣との関係を明らかにする。第二部では、著者の文人的志向が溢れ出る、秦漢から宋代に至る霊璧石や太湖石といった奇岩怪石を論じた一篇も収録する。早稲田美術史学の泰斗による、東アジア仏教美術史研究の真骨頂。
【目次】
序(肥田路美)
自序(吉村怜)
第一部 仏像の着衣と僧衣
第一章 古代仏像の着衣と名称―僧祇支と偏衫について―
第二章 古代比丘像の着衣と名称―僧祇支・偏袒・偏衫・直?について―
第三章 中国仏像の着衣の基本―袈裟・裙・僧祇支・偏袒について―
第四章 仏・菩薩像の衣服と名称
第五章 鑑真和上像の着衣、唐式偏衫について―竹下繭子氏の批判に答えて―
第六章 青州龍興寺址出土・北斉のインド風仏像の起源
第二部 個別研究
第七章 東大寺大仏の仏身論―蓮華蔵荘厳世界海の構造―
第八章 東大寺大仏・梵網教主説批判
第九章 雲岡・曇曜五窟の大仏
第十章 龍門古陽洞仏龕にみられる荘厳意匠の意義
第十一章 行像考
第十二章 中国奇岩怪石趣味の起源―霊璧石と太湖石について―
図版一覧
あとがき
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