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1929年(昭和4年)10月に起こったアメリカ合衆国を中心とする世界恐慌の影響を受けて、日本でも翌年には昭和恐慌が起こった。なかでも日本農業は生糸の対米輸出が激減したことに加え、デフレ政策と1930年(昭和5年)の豊作によって米価が下落するなど大きな打撃を受けた。そうしたなか日本農業は種々の農業政策によって景気を回復していったが、日中戦争が全面化すると、徴兵によって農家の労働力の主戦である若い男手が戦争に取られたり、また軍需産業の強化によって労働力が都市へ流出していったりして、農村は疲弊化していった。本書は、第一次世界大戦の勃発から第二次世界大戦集結まで期間、いわゆる両大戦間期において日本政府が採った農業政策がどのように農村へ反映されていったのか、その実例として新潟・六日町地域などの農村地帯と大阪市周辺農村の都市近郊地帯を取り上げるなどして、日本農業の特徴を歴史的におよび実証的に検証したものである。
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