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◆珠玉の百句選
この半年間、源義の遺影を前にして対話を続けた。
父の句とここまで真摯に対き合ったのは、初めてのことである。
人生で初めて達成した感覚が残った。それが嬉しい。
◆窓外に黒ずむ山や扇置く 源義(昭和八年)
石田波郷は『ロダンの首』の跋文で、
このやうに最初から完熟してゐる作者も珍しい。(中略)単に洒落た構図の句と言ひ棄てられさうな句だが、こゝにはる人生の一点が動きを止めて定着されてゐるやうなところがある。
と述べている。「窓外に黒ずむ山」とは、立山連峰。大須賀乙字の言う「二句一章」論を実践した初期の代表句。俳句の形を生涯大切にした源義の片鱗が現れている。
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