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【児童虐待、殺したい父、噴き出す膿と憎悪――――
残酷の果てで見つけた、「愛」とはどんな姿であったか。独白的自伝作品の快作!】
凄惨な父の暴力、消えた母、歪んだ近親者たち、難治の大病。
そこにあるのは、生まれ落ちてから、
親から愛されることがなかった娘の、残酷な現実の姿。
「愛」と正反対の場所に生まれ落ちた、いち女性が、
血と泥をすすって辿り着いた場所で見たモノとは・・・・・・
残酷の果てで見つけた、「愛」とはどんな姿であったか。独白的自伝の快作!
仰天のラストが待つ!
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父は私の記憶では毎日のようにクダクダ飲んでは、酔っ払い特有のからみを見せる。
お金が足りなくなると途中で帰って来ては家の持ち金を全部持って行き、
それから帰って来るとまた飲み、暴力暴言、大声でわめき散らす。怒鳴りちらす。
男が決してやらかしてはいけない無抵抗な幼児、年寄りを含むすべての女性達に対して
暴れる所業の数々を成し遂げてゆく。持ち金どころか、あらゆる持ち物を黙って質に入れられる。
あんな毎晩大酒を飲んでは暴れまくるヤツに……。
どんなに小さな子供だとはいえ感情はある。
本能的な羞恥の感情も持っている。
なのにだ。
毎日、そんなヤツがすることに対してかなり気を張って生きていて、
本音を言うと心の中は恐怖しかないのが本音。
なのにだ。
自分の中ではこれは猛烈な屈辱感にもつながっていき、
そしてこのあと、これらの感情が常に同居する。曲がった感情へと発展してゆく。
「このままでは生きてはゆけない」
子供なりに本能で悟る。
やっかいな感情がその後の私の人生上に起きてしまう。
「男には」
「男にだけは」
「負けない」
3才。まだ、この世に生を受けて3年。
家族をその暴力から守るために両手を広げて立ちはだかっていたその幼い子には、
まだまだ長い、想像を絶する残酷が横たえていた・・・・・・
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