取り寄せ不可
終わりなき記憶の闇のなか、
愛だけが光をくれたのに……。
病室で目覚めたとき、クレアはいっさいの記憶を失っていた。
手首の名札で自分の名前だけはわかったものの、
夫と名乗る実業家マットの顔を見ても、何も思い出せない。
強盗に襲われて頭にけがをしたのが原因のようだが、
マットの広大な屋敷に移って看護を受けるうち、順調に快復していった。
魅力的な夫に、快適な生活。けれど、なぜか不安がぬぐえない――
彼の発言や態度につじつまが合わないところがあるのだ。
それでもクレアはやがて、自分がマットを愛していることに気づく。
正直に愛を告げた彼女に、マットは重い口調で残酷な事実を告げた。
「結婚生活はとっくに破綻して、僕たちは別居していたんだ」
じつは家族を知らずに施設で育ったクレアですが、その記憶さえも失った今、すべてを知るのは夫であるマットだけで……。作者自身、ヒロインと似た境遇の少女時代を過ごしてきただけあって、その分物語に深みが与えられています。切ないすれ違いに涙する大傑作!
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