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税理士業界が厳しい状況になってきたと言われて、早十数年。
AIによって需要がなくなる職業ランキングのトップ10に入る業界。
そのような厳しい状況のなか、私の税理士事務所は、開業して8年目で顧問先数450超、従業員数約22名(パート、アルバイト含む)、業績は毎年右肩上がりで推移しています。
そして2018年、ついに、このままではお客様の対応をしきれなくなってしまうと考え、新規の顧問先をストップするまでになりました。
そんなに景気がいい理由は一体何か? 理由はただ1つ。「大家さん専門税理士」を掲げているからです。つまり、業種を絞って、大家さん(賃貸経営者)をターゲットに特化している税理士事務所なのです。
「業種を絞るだけで、売上が上がるのか?」
半信半疑なのも無理はないと思います。そもそも、業種を特化している税理士事務所なんてほとんどありません。
税理士事務所は、地域に根付いて商売するというイメージが強いでしょう。開業している税理士さんのほとんどは、近所の個人商店や中小企業を顧客にしています。お客様も近くの税理士事務所に頼むのが、一般的な考えになっています。そして、どんな業種のお客様の税務にも対応してくれるのが、街の税理士さんのスタンダードとされてきたのです。
「売上が厳しくなった。他事務所との差別化が必要だ」と、税理士事務所の先生は口々におっしゃいます。
しかし、これまでのように、どんな業種の税務にも対応するという姿勢を貫いていたら、差別化なんてできるのでしょうか?
私はできないと思っています。
私は、独立当初から「大家さん専門税理士」を掲げていました。勝算があったわけではありません。税理士としての経験が浅い私でも勝てると判断した分野が、大家さんの税務だったというだけです。それだけなのです。
税理士は将来、消える職業と言われています。私は、やり方次第では、まだまだ需要があると思っています。
やり方は様々でしょう。
「税理士は、顧客から何が求められているのだろう?」
その基本に立ち返れば、解決の糸口が見つかるはずです。
その答えの1つが、「業種に特化すること」だと、私は考えています。
本書では、なぜ業種特化すべきかを考察し、私の経験も交えて、税理士事務所のこれからの道を考えてみたいと思います。
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