「宇野は、マルクス経済学とマルクス主義経済学を区別した。マルクス主義経済学は、資本主義から社会主義への転換は必然であるとする、唯物史観というイデオロギーによって革命に資する経済学を構築する試みだ。これに対してマルクス経済学は、アダム・スミス、デービッド・リカードら、古典派経済学を批判的に継承したカール・マルクスが、『資本論』で展開した理論を基礎にして資本主義の内在的論理をとらえる体系知(Wissenschaft、科学)である、というのが宇野の主張だ。」
――佐藤優氏(解説より)
我々を取り巻く資本主義社会。経済学はその構造を解明するべく発展してきた。
経済学の基礎だけでなく、、資本主義の理解には必須の宇野理論をも学べる不朽の入門書。
下巻では、上巻で解説された原理論、段階論と経済学説史を踏まえ、
マルクスの経済学の解説から入り、現状分析となる日本経済論が展開される。
※本書は1956年3月(上巻)、4月(下巻)に角川全書から刊行された作品を復刊し、図表を再作成し、解説を加えたものです。
下巻の底本には1965年の第13版を使用しました。
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