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学問的自伝の色合いを帯びた美しい回想記に導かれるモノグラフ集成。著者は長年第一線で、歴史的な政治思想史をひとすじに追究してきた。
〈私には、その後の研究人生の中で、長い時間をかけて少しずつ自覚化されてきた目標がある。その目標とは、最も広い意味で運動論とは距離を取ることを心掛けながら、思想家たちがそれぞれ遭遇した状況の中で、所与の言語的資源の制約のもと、いかにそれを最大限に利用して対処したかを、及ぶ限りの想像力を働かせて描き出す努力をすることである〉〈およそ思想家と呼ばれるほどの人物には多面性が常に伴う。研究者は、その多面性の構造と理由に対して最大限の尊敬を以て接しなければならない。そして、その思想家が論じた事柄が何らかの意味で政治と深い関わりを持つ時、私たちは彼/彼女を政治思想家と呼ぶ〉(序章)
スキナー、ダン、ポーコックらいわゆるケンブリッジ学派との出会いによって、方法意識はより明確化された。やがてヨーロッパ二千年を貫く自由意志論思想史へ。その構想上に再定位される思想家研究――『フランス革命の省察』の定評ある訳で知られる著者の初期バーク論、政治思想家コールリッジの誕生過程を跡付ける重要論考。次いで方法論を正面から問う一章を置き、自由論史上の決定的転回点をなすカント、摂理としてのデモクラシーを考えたトクヴィル、そして〈歴史上最も変わり難い精神の持ち主〉カトリックの大思想家ジョン・ヘンリー・ニューマン研究の端緒となるべき瑞々しい〈序説〉(書き下ろし)。単著未収の主要論考を編む。
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