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プラトニック&アレゴリックな独白的文体!
「『山山』の背景には、1万8430人の死者と行方不明者を出した2011年3月11日の東日本大震災と、東京電力福島第一原子力発電所による原発事故がある。[……]松原さんが選ぶ言葉のレンズの倍率は精緻で一分の狂いもない。しかし、それは作者の意図や主張で台詞を雁字搦めにしている巧みさなのではない。流暢で饒舌であると同時に、その中に吃り、途切れ、沈黙を孕んで、全体の輪郭は一向に見えないまま黒っぽいものが巨きく膨らんでいく。息を呑むほど完成度が高い戯曲である」(柳美里[選評より])。
労働と愛(チェーホフ)、生と死(ベケット)、表象と紋切型(イェリネク)、そして『バートルビー』(メルヴィル)をモチーフに、かつては美しかった山と汚染物質の山の狭間で暮らす家族たちの新たなレジスタンスを描く──。美しい山の麓で暮らしていたはずの家族が「せずにすめばありがたいこと」に曝されてゆく表題作のほか、ブレヒトやゴダールをふまえた2篇(『正面に気をつけろ』『戯曲の読み書きについて』)も収録。プラトニック&アレゴリックな独白的文体に、選考委員も震撼! 純粋劇作家・松原俊太郎のデビュー作品集。
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