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啓蒙主義時代は「理性」だけの時代ではなかった
いわゆる「長い18世紀」(1630年~1830年)に、ヨーロッパでは、新大陸をはじめとする世界中から、新たな食材、香辛料や香料・顔料が持ち込まれ、さまざまな新技術・新理論が誕生した。それらに刺激されて、著作家、芸術家、哲学者、医師、そして市井の人々までもが、新たな感覚刺激とその可能性に魅了され、精神と肉体の関係について議論した。その当時、人々の五感の使い方、そして価値観はどう変わったか。啓蒙思想家たちは、視覚のみならずあらゆる身体感覚および「内的」感覚を駆使して、世界をどう捉えなおし、社会を改良しようとしたか。
それまでさげすまれていた盲人の地位向上と盲学校の誕生、おならを芳香にする薬の研究、18世紀式“アロマテラピー”、知識人のあいだでゾウ肉やネズミ肉など珍奇な肉料理が流行したわけ……。数々の試みは、ときに偏見や迷信を打破し新たな世界を切り開く一方で、ときに現代から見れば〓然とするような発想や新たな偏見へとつながった。五感(と、当時、第六・第七…と考えられた感覚)の使われ方から見る、新しい文化史。
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