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「敗者の歴史」が名画を語る
遠近法を駆使した不思議な構図で知られるルネサンス時代の名画、ピエロ・デッラ・フランチェスカの《キリストの鞭打ち》は、その構図の意味のみならず、注文主・真の主題・描かれた人物が誰かまで謎であり、長年にわたって著名な研究者たちがいくつもの説を発表してきた。本書は、いままで用いられてこなかったビザンティン帝国の史料も活用し、当時の激動の世界史からこの一連の謎を読み解く。
著者はいわば絵の周りに、教皇たち、高位聖職者、皇帝や有力な領主たち、ギリシアと西欧の王女たちを呼び集める。ミストラ、コンスタンティノポリス、フィレンツェ、ローマ、マントヴァ、ウルビーノといった各地の出来事がポリフォニー的に展開するなかで、さまざまな美術史家の、そして著者自身の見解が述べられ、あたかもモザイク画のように、謎解きの全体像をかたちづくっていく。
該博な知識に裏打ちされた、斬新な1冊。巻末に、監訳者による《キリストの鞭打ち》研究史と15世紀の時代背景をまとめた解説つき。
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