ピエロ・デッラ・フランチェスカ《キリストの鞭打ち》の謎を解く

ピエロ・デッラ・フランチェスカ《キリストの鞭打ち》の謎を解く

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出版社
白水社
著者名
シルヴィア・ロンケイ , 池上公平 , 長沢朝代 , 林克彦
価格
22,000円(本体20,000円+税)
発行年月
2019年5月
判型
A5
ISBN
9784560096581

「敗者の歴史」が名画を語る

 遠近法を駆使した不思議な構図で知られるルネサンス時代の名画、ピエロ・デッラ・フランチェスカの《キリストの鞭打ち》は、その構図の意味のみならず、注文主・真の主題・描かれた人物が誰かまで謎であり、長年にわたって著名な研究者たちがいくつもの説を発表してきた。本書は、いままで用いられてこなかったビザンティン帝国の史料も活用し、当時の激動の世界史からこの一連の謎を読み解く。
 著者はいわば絵の周りに、教皇たち、高位聖職者、皇帝や有力な領主たち、ギリシアと西欧の王女たちを呼び集める。ミストラ、コンスタンティノポリス、フィレンツェ、ローマ、マントヴァ、ウルビーノといった各地の出来事がポリフォニー的に展開するなかで、さまざまな美術史家の、そして著者自身の見解が述べられ、あたかもモザイク画のように、謎解きの全体像をかたちづくっていく。
 該博な知識に裏打ちされた、斬新な1冊。巻末に、監訳者による《キリストの鞭打ち》研究史と15世紀の時代背景をまとめた解説つき。

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