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"婚約者と別れた30歳のルースは、母親からの頼みで実家に戻り、しばらく一緒に暮らすことに。高校教師だった母は定年を迎え、臨時教員をしている。大学教授の父親はアルツハイマー病で物忘れがひどくなりつつあったが、自分が書きためていたノートを見せてくれた。それは父から娘への手紙の形式をとっていて、ルースが幼い頃から書かれていた。
父は日付を勘違いしたり、成績評価を忘れたりしたため、学部長から講義を持つことを止められて不機嫌になっている。そんな折、父の助手だった男性からルースに電話があり、大学で父に講義をさせることを提案される。院生たちからの希望もあり、研究室や教室を間借りして、父のために本物そっくりの状況をつくり出したいというのだ。学部長から、もし父をキャンパスで見かけたら警察に通報と言われているなかで、ルースたちはこの計画を実行しようとするのだが……。
重いはずの現実を、みずみずしく軽やかなタッチで描いて注目された長編小説、待望の翻訳。
「ささやかで人間的で深々とユーモラスなディテールの積み重ね」——ミランダ・ジュライ
【著者略歴】
レイチェル・コン Rachel Khong
南カリフォルニア育ち。イェール大学卒業。フィクション、ノンフィクションの短編をさまざまな雑誌に発表。長編デビュー作である本書 Goodbye, Vitamin は、米アマゾンの「2017年7月のベストブック」に選ばれたほか、ELLE誌の「この夏読むべき24冊」、Vanity Fair誌の「今すぐ読むべき本」にも選出されるなど、刊行直後から全米で注目を集めた。サンフランシスコ在住。"
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