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柴田元幸が愛する作家の第一短篇集
本書は、『シカゴ育ち』『僕はマゼランと旅した』でロングセラーを記録するアメリカの作家ダイベックのデビュー短篇集。ゴミバケツが並ぶ路地を子供たちが駆け抜け、鳩の糞に塗れた建物のすぐ横を高架電車が疾走し、薄汚れた町並みを雪がわずかの間、聖化する都市の情景を鮮やかに伝える作家の技を堪能できる。
町外れにある屑屋のコミュニティ、さかりのついた猫の声が辺り一面から響く町から始まり、鳩の卵を取ろうとして少年がのぼる鉄橋に至るまで、物語の印象的な要素は、つねにどこか幻想的な色合いを帯びている。ただし作家は、現実から一気に幻想に飛躍することは決してない。街をリアルに描いた描写から、そのままつながって、直接の延長線上に幻想性が待っている。
そうした現実/幻想の継ぎ目のなさという点で考えれば、これまで作家が発表した小説5冊のうち、本書が最高かもしれない、と翻訳者の柴田元幸氏は指摘する。
まさに多くのファンが待ちわびた短篇集で、味わい深く、心に残る11篇を収録している。作家による日本版特別寄稿『路地裏の子供たち』を書いたころ」を付す。
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