たぶの木

澤俳句叢書

たぶの木

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出版社
ふらんす堂
著者名
川口正博
価格
2,750円(本体2,500円+税)
発行年月
2019年4月
判型
四六判
ISBN
9784781411132

◆第一句集



遁走の蜥蜴に重き尻尾あり



詠むべき対象である蜥蜴と作者とが重なって、ひとつになる。そこに強い魅力が生まれている。正博俳句は縄文を強く指向している。それがたしかな手応えと新しみを生み出しているのだ。

(帯・小澤實)



◆小澤實十句抄

ふるさとは弁慶蟹のゐる処

老猟夫天地和合の謡かな

晩秋の諏訪は暑しよ宮崎より

のんのんと蛭は泳ぎぬ雨の午後

大概の男は阿房冷酒酌む

青き海より太刀魚を引き抜けり

毛虫焼く焔ぽぽぽと青ませて

新緑のまづたぶの木を頼りとす

蝮打ち殺して午後を何もせず

酒好きの風邪拗らせてしまひけり

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