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"マンガで読む,巨匠で読む「方丈記」
日本三随筆のひとつで中世の天変地異ドキュメント『方丈記』を活写! 平家興亡・源平争乱の平安時代末期を生きた無常の歌人・鴨長明の生涯を交えながら完全にコミック化! 名門・下鴨神社禰宜の子として生まれながら、跡目争いに敗れ、長年住んできた邸を追われるなか、10年足らずの間に若き長明は多くの災厄を体験。現代にも通じる無常観! そして、その天変地異を経た無常の先にある方丈の草庵生活とは? 巻末寄稿/荒俣宏 作品解説/関口浩(駿台予備学校古文講師)
【編集担当からのおすすめ情報】
『方丈記』は″無常″すなわち、あきらめの心情に最初から貫かれている。 水木サン(著者)は若い頃、出征する前に『方丈記』を読んで、大いに共感を覚えた。 死に行く者はあきらめの境地にならなければならなかったのだ。しかし今の時代、すべてを容認してあきらめずに困難に立ち向かう姿勢こそが、大事なのかもしれない。その頃(『方丈記』執筆前後)の長明は、『無名抄』や『発心集』を記している。 『無名抄』を読むと、ある種の郷愁のようなものが感じられるね。また、『発心集』の仏教説話なんかは、長明の感じる″無常″の心が反映されているのだろう。 長明が死んだのは建保四年(1216)閏6月10日という。 享年62歳であった。 世を恨んで出家した長明の心には、都を捨てたといいつつも、都の生活を惜しんでやまない気持ちがあったと思う。 最後は方丈の庵で、人知れずひっそりと死んでいったのだろうな。 長明の″無常感″は、若い頃の災害、挫折の経験が大きかったのだろう。21世紀の現在でも、大いなる災害などの問題を抱えている・・・。
この閉塞感は『方丈記』で語られる″無常″と無縁ではないだろう。水木しげる(本文より)
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