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本書はスウィフト研究であり、彼の名作『ガリヴァー旅行記』の新解釈を試みるものである。『ガリヴァー旅行記』に込められた風刺の意図は複雑である。その対象は当時のイングランド社会を中心に、貨幣信用経済や宗教、王立協会、習慣や伝統、さまざまな国や社会の政治、文化伝統にも及び、それは旅行記かつ風刺文学という形式をとった、まさに包括的な文明批評である。『ガリヴァー旅行記』以外の主要な著作についても触れながら、これまでの研究では掘り下げが不十分だったスウィフトの政治経済思想にも踏み込み、その社会思想を歴史の多様な文脈のなかで読み解く。時代精神の腐敗を憂い、アイルランドの自由を奪いながらも賄賂を恥じない多くの為政者を批判し、ブリテンの政争・金権・頽廃を告発したスウィフトこそ、公共的知識人の典型であったのではないだろうか。
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