石川達三の文学

石川達三の文学

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出版社
アーツ・アンド・クラフツ
著者名
呉恵升
価格
3,080円(本体2,800円+税)
発行年月
2019年3月
判型
A5
ISBN
9784908028366

戦時下、「戦争協力」資料を発掘―石川達三像を覆す!
『人間の壁』『金環蝕』『風にそよぐ葦』など社会的なテーマを描く一方、『青春の蹉跌』『僕たちの失敗』など若い男女の恋愛を描いた石川達三―。戦前の昭和10年(1935年)『蒼氓』で第1回芥川賞を受賞した作家は、南京攻略を描いた小説『生きてゐる兵隊』(1938年)が発禁処分となり、その後発表した『武漢作戦』(1939年)以降、戦争体制に全面協力していく。本書は、戦時下における石川達三の「戦争協力」文章(小説・エッセイ・批評・報告、等)を日中両国で丹念に収集し、それらの資料をもとに従来の「戦前から変わらぬ社会派作家」像に疑義を呈し、また戦後における「自由な民主主義者」としての「再転向」した「売れっ子社会派作家」を戦前・戦中と比較しながら、実証的に批判した画期的な書である。ここに「社会派作家」石川達三の実像が浮かび上がる。

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