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第一次世界大戦の敗北によって多民族・多宗教国家であるオスマン帝国が崩壊したのち、建国の父アタテュルク(1880/1〓1938年)を指導者とする独立運動を経て、1923年にトルコ共和国は誕生した。トルコ民族主義と世俗主義を国是として出発したこの国は、まもなく建国100周年を迎えようとしている。国父アタテュルクによって、新しく生まれたこの国の「かたち」は、いかに形作られたのか。そして、親イスラム政策をとる現大統領エルドアンによって、それはどのように変わろうとしているのか。
本書は、国民史や言語改革を通じた国民の創成プロセス、上からの国民形成に対するトルコの民衆の抵抗やネゴシエーション、国民国家を形作る国境の成り立ちとその揺らぎなどに焦点を当て、トルコ共和国が歩んできた一世紀を実証的に描き出す試みである。歴史的背景から最新のトルコ情勢まで視野に入れた、気鋭の若手研究者による論集。
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