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初めのほうは見ていなかった船影が海の奥へと吸いこまれゆく
その瞬間を、その感情を、わたしは確かに知っている。知っているからもう充分なのに、吉川さんの歌はバレンを何度も押し当てるがごとく、過去と未来の記憶を鮮明に浮き上がらせるのだ。
――椰月美智子
母が亡くなる二日前の夕方、かすれた声で「アビカンス、アビカンス」と、繰り返しつぶやいていた。母が若かったときに見たこの石の花が、夢の中にあらわれてきたのかもしれない。
言葉は、生と死の境界をふっと超えて行き来することがある。短歌の言葉もそれに深く関わっているように思う。普通ならばすぐに消えてしまう声を、目に見えない遠いところへ届けようとする試みが、歌を作るということではないだろうか。(あとがきより)
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