ふたあゐ

ふたあゐ

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出版社
ふらんす堂
著者名
八染藍子
価格
2,970円(本体2,700円+税)
発行年月
2019年3月
判型
四六判
ISBN
9784781411521

◆第六句集



短冊の天の二藍筆はじめ



「二藍」は日本古来の染色名で、若い頃に手がけた型絵染で関心を寄せた色の一つです。布地を先ず紅花で染め、その上に藍をかけたのが「二藍」ですが、その比率は、藍の淡い方が若年向き、紅の淡い方が壮年向きということが源氏物語にも記されています。

(あとがき)



◆自選十句

闇ながらほのかな春着明りかな

洗はれて硯にもどる濃むらさき

揺れごこち枕に通ふ宝船

渡殿を香のいざなふ雛館

筆澄めるたまづさよりの秋の声

手荷物のひとつを開き秋日傘

短冊の天の二藍筆はじめ

踏青や身にポケットの数知れず

白萩の走りの花のひと流れ

夜寒さや蟋蟀の字に虫めがね

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