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先代旧事本紀大成経伝の四、神教経とは西暦594年に聖徳太子が著した神道教義二部作のうち初めに書かれたものである。この古典は長く埋もれていたために奈良時代以降、わが国には教義なき神道が伝えられてきた。
飛鳥時代、推古天皇の「神道の真髄は如何に」というご下問を承けて摂政聖徳太子は皇祖に代々伝わる紀を元にして、神道とはいかなるものか、天皇は何を成すべきかを解き、その神教経により神道の核心にあるものを理解できるようになったといわれる。したがってこの経典が神道の教義にあたる。
本書はまず序章で、この古典を今なぜ必要とするかを述べ、明治時代以来の神道観の誤りを指摘した。その上で、天皇の位がいかにして成るものかを神教経の各章で解き、さらに特筆すべきは天皇が背負う宿命の重さについて言及していることである。これは国民には想像しえないことで、これまで他本にては書かれてこなかったことである。
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