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ダヴィッド・ジョップは、 サルトルが「黒いオルフェ」と呼んだ黒人詩人の一人である。 もともと抑圧者の言語だったフランス語で書かれ、 いま初めて日本語で甦る彼の詩は、過去の奴隷制度の記憶から生まれた苦い叫びであるとともに、彼が目指す黒く輝く母なるアフリカの魂への熱い呼びかけでもある(鈴木道彦)。
デビュー作を含む初期の詩篇と、生前唯一出版された詩集『杵つき』の計二二篇の詩の他、フランス語表現の黒人創作者という自らの立場の矛盾、葛藤を超えてアフリカ独自の文化創出を構想する詩論「国民詩論争への寄与」等の散文四篇を収録。また、日本ではほとんど知られていないこの詩人の生をたどった編訳者書き下ろしの評伝を加えた、ダヴィッド・ジョップ詩集の決定版。
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