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20世紀を代表する音楽家が、
これまでの人生や、インスピレーションの源について綴った、
もっとも純粋なハーモニー。
ビーチ・ボーイズの舞台裏と、
『ペット・サウンズ』『スマイル』の創作過程。
そして、喪失と再生の物語。
録音芸術の領域を拡張し、
現在のポピュラー音楽界にもっとも影響を与えた音楽家。
「ポップ・ミュージックの世界で現存する天才をひとり挙げなくてはならないとしたら、わたしはブライアン・ウィルソンを選ぶ。《ペット・サウンズ》なくして《サージェント・ペパーズ》は作られなかった」――ジョージ・マーティン
「あんなサウンドのレコードなんて作れやしないよ。ブライアン・ウィルソン、あいつは四トラックでアルバムを作ってた。だけど、いま百トラックを使ったとしても、あいつみたいなアルバムは作れやしない」――ボブ・ディラン
ぼくの人生と、頭の中と、音楽について、語ろう。
無垢への憧憬から、青春の喪失。
70年代、80年代の心の病い、幻聴、ドラッグ、
バンドをとりまく環境変化。
しかし、ブライアンは何度も何度も何度も何度も何度も立ち直り、
ついには幻の名盤『スマイル』を完成させた。
アメリカ人の人生に第二幕なんてないにもかかわらず!
1960年代、ビーチ・ボーイズの結成メンバーとして、ブライアンはもっとも革新的であり、かつ永遠に残る録音芸術を作り出した。〈イン・マイ・ルーム〉〈カリフォルニア・ガールズ〉〈神のみぞ知る〉〈グッド・ヴァイブレーション〉といった名曲の数々。レコーディング・スタジオを楽器のようにコントロールし、複雑なハーモニー、シンフォニックな構造や、人生の喜びと、深い悲しみを描いた純真な歌詞によって、ポップ・ソングの可能性を拡張した。1970年代以降は、心の病いやドラッグ、バンドの浮き沈みにも影響され、20数年ものあいだ復帰と活動休止を繰り返した。しかし、その間も、日本では山下達郎、村上春樹をはじめ、世界中のアーティストたちに大きな影響を与え続けた。
いまや精力的なライヴ・アーティストとしても成功したブライアンは、本書で、創造と狂気の間で揺れながら闘ってきた自身のヒストリーをはじめて明らかにする。子ども時代、バンド・メンバー、心の中の悪魔のこと。自らのクリエイティヴの源泉。晴れやかで最高なカリフォルニア・ライフと弱り果てて最低の日々。自身の言葉と思考で綴られる本書は、この偉大な音楽家の歩みを鮮やかに照らし出す。混乱や不協和音をくぐり抜け、彼はついに、一冊の本という
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