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【あなたに私の「食」の履歴を話したい】
戦前・戦中・戦後を通して語り継がれた食と生活から
見えてくる激動の時代とは。
歴史学・地理学・社会学・文化人類学を横断しつつ、
問いかける「胃袋の現代」論。
戦後史を「胃袋」から見ると、どのように見えるのだろうか。
前作『胃袋の近代』で明らかにされた「記憶として個々人が
抱えていたが、歴史化されてこなかった」出来事たちを、さら
に現代に向かって証言・資料を基に丹念にとらえていく。
「7袋のポテトチップス」が浮かび上がらせる、
飽食・孤食・崩食を越えて「逢食」[ほうしょく]へ至る道すじとは。
「あなたに私の食の履歴を話したい」。『胃袋の近代』
が刊行されて間もなく、読者の方から、そう声をかけら
れた。人はそれぞれ「食の履歴書」をもっている。「食
物語(たべものがたり)」といってもよいかもしれない。
そこには食をめぐる状況や経験や思い出などが含まれて
おり、いわば人生の足あとが垣間見えることも多い。
「食べるを語る」人びとのライフヒストリーに耳を
傾けながら、胃袋・食・社会を巡る問いに答えうる
「暮らしの戦後史」を描くことが本書の目的である。
――本文より
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