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鮎川は詩にとって最も本質的な要素を、それが「存在しなかったかもしれない」言葉であるという点に認めようとしている。「存在したかもしれない」と考えることで「空白」を言語的に存在させようとした鮎川にとって、「存在しなかったかもしれない」言葉を創生するという行為のうちにこそ、死者でなく生者と経験を共有するための方途が見出されていただろう。
戦後現代詩の始まりの光景を大胆に更新する本格的鮎川信夫研究。最新資料をもとに、戦後の詩と詩的磁場の批評的達成えお現代に問い直す。全集美収録詩篇をはじめ、新発見の書簡など貴重資料を収載。
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