レトリックと哲学

レトリックと哲学

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出版社
彩流社
著者名
中西満貴典
価格
4,400円(本体4,000円+税)
発行年月
2019年3月
判型
B6
ISBN
9784779125683

レトリック(修辞学)研究においては、

言語の本質を、対義的概念とみなし、

その構造が出来事の矛盾の構造と

相応関係にあることを洞察しようとしている。



ケネス・バーク研究から始まり、伝達媒体の相異と、

表現のしかたや発想様式のちがいとの連関性に、

研究の焦点は移っているが、

本書でも、〈文字/声〉の対比において、

それぞれのモード(表現形式や思考様式)の特性を

浮びあがらせることに専心する。

そして、これを契機に、目的物の探究のための資源が

ジャンル横断的にひそんでいることに気がつくことになる。



〈文字/声〉の分節によって、さまざまな分野の問題

――文学批評、思想史、科学哲学等――を切りとることが

できるのではないか。



伝達媒体のちがい――〈文字/声〉あるいは、

それに対応する身体感覚のちがい(視覚/聴覚)――が、

各時代の表現形式やそれにともなう思考の様式と

なんらかの関係があるのではないか、という直観。



それは、時間的スケールをひろげ、

ルネサンス期までの自然哲学と、

いわゆる近代科学のそれぞれの「知」の在りかたそのものを、

考えることを促すのである。



本書は、フーコー再読から、やがて

〈文字/声〉の区分が、

「近代的知/ルネサンスの知」という分節と、

パラレルな関係にあることが主題となっていき、

とりわけ、研究方法としては、本書構成上、

異なる対立軸の中間に、ジャンルをまたぐ論考を配置することで、

主題を複合的重層的に考察していくことを試みて行くものと

なっている。

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