"東京大学総合研究博物館に収蔵されている膨大な昆虫標本を公開した特別展図録.江戸時代に作製された日本最古の標本,ブータン国王から寄贈されたアゲハ蝶,そして昆虫学史上に名を連ねる研究者たちのコレクション.昆虫博物館の裾の野の広さと深さを体感できる.
「はじめに」(矢後勝也)より抜粋
「 日本の昆虫学は東京大学に端を発し、様々な学術分野や研究機関に枝分かれして今に至ります。この学問の発展には専門機関の研究者だけでなく、むしろ在野の研究者の貢献も大きいところです。その間、学術研究や教育普及のために収集され、本学に集積・寄贈されてきた昆虫標本も膨大な数に及びます。
本特別展では、東京大学総合研究博物館に収蔵されている約70万点の昆虫標本のうち、日本の昆虫研究史の源流ともいえる学術標本から現在に至るまで継続的に収集、研究されてきた秘蔵コレクション約55,711点を一挙公開しました。
この中には約200年前の江戸時代に生きた本草学者・武蔵石寿の作製による日本最古の昆虫標本、近代養蚕学の父・佐々木忠次郎やミツクリザメで知られる箕作佳吉の明治?大正期の昆虫標本、昭和初期に採集された鳥類学者の侯爵・山階芳麿やセミ博士と呼ばれた加藤正世の昆虫標本、ブータン国王陛下から贈呈されたブータンシボリアゲハ、昆虫学史上に名を連ねる五十嵐邁、江田茂、須田孫七、濱雅彦、宮野浩二、白石浩次郎、石川良輔、尾本惠市、岸田泰則などのコレクションが含まれます。
これらの自然史遺産ともいえる貴重な昆虫標本を一堂に展示することで、いわば日本の昆虫博物誌を体感してもらうことを一つの趣意としています。また、これを機に多様な昆虫史への幅広い興味や科学的な探究心を抱いてもらえたら幸いです。」
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