現在、障害の有無のみに関わらず、あらゆる人がお互いに人格と個性を尊重し、支え合う共生社会の実現を目指すノーマライゼーションの理念のもと、世界の国々が教育や福祉の領域で様々な取り組みを行っています。日本も国内の法律を整え、障害者の社会参加を促進し、インクルーシブ教育や保育が推進されています。2019年度からの教職課程では、特別支援教育の科目は必須となり、幼稚園、小・中・高等学校の教員免許の取得を目指す教職課程の学生は、特別の支援を必要とする幼児、児童および生徒に対する理解を深め、支援の方法を学修することが求められています。
幼稚園や保育所および認定こども園には、障害のある子どもだけでなく、診断はないものの障害の特徴が見られる気になる子どもや、貧困家庭や一人親家庭、虐待の疑いのある子ども、外国籍の子どもなどいろいろな子どもがいます。クラスの中に集団生活や活動することに困っている子どもがいたとすると、なぜその子どもが困っているのかを知り、どう対応するのかを考えなくてはなりません。しかし、障害や特別の支援が必要な子どもに関する知識や支援の方法が身についていないと、子どもや保護者に対して不適切な関わりをしてしまうかも知れません。そこで、保育者を目指す皆さんには、このテキストで障害をはじめ特別の支援や配慮が必要な子どもたちを理解し、子どもたちとの関わり方やその支援の方法を学んだ上で、特別の支援や配慮が必要な子どものアセスメントから支援計画の立て方までを理解し、職員間連携や関係機関との連携のあり方についても学んでほしいと思っています。
本書は、保育士養成課程の「障害児保育」のテキストに、教職課程コアカリキュラムの「特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒の理解」の特別支援教育の内容を新たに盛り込み、『特別支援教育・保育概論』として改訂しました。(本書「はじめに」より)
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