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著者はダンサーでもあるアメリカ人人類学者である。彼女は何故はるばる海を渡り暗黒舞踏の何を明らかにしようというのか? それはまさに,土方巽が言う「「光栄ある肉体の反乱」,すなわち脆弱な「社会化され秩序化」されたものではない,文字通り物質としての肉体そのものからあふれ出るパワーが,舞踏家と舞踏家,舞踏家と観客,観客とその周囲の何かと作用し合いあらたな身体の地平を拓く,その相互作用(アフェクト)の秘密を解き明かしたい,というパッションからである。自ら暗黒舞踏の稽古を受けながら,稽古の現場で作用し合うもの,生成されるものを身体経験として受け止め言語化し分析する──他ならぬ自らの身体の奥底にフィールドを見いだした,新しい人類学。
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