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これまでの社会福祉論では,先進国が主流として扱われ,中進国や発展途上国は専らその「遅れ」が指摘されるばかりであった。しかし,東南アジアでは,超ハイペースで少子化・高齢化が進み,また移動労働などによる家族の変化の中で急速に増大するケアニーズに対して,制度整備の遅れを埋める形で,文字通り生きる実践としてのケアが立ち現れている。欧米では市場原理と個人主義のへのアンチテーゼとして提起された「社会全体で担うケア」という論理が,元来,東南アジア社会には内包されているのではないか。ネオリベラリズムのもとで主張される「自助努力」や「アクティブ・エイジング」を東南アジアから捉え直し,社会に埋め込まれたケアのつながりの活性化から,新たなケア原理を模索する。
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