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鎌倉中期に成立した、伊勢内宮祠官の寂延撰『御裳濯和歌集』は、伊勢神宮関係の和歌を中心として、伊勢国に関係のある人物の詠作を類聚した私撰集である。西行勧進「二見浦百首」や伊勢内宮法楽「四季題百首」などを含み、和歌史的に貴重な価値をもつ。
本書では、翻刻・語注を施した上で全歌評釈に加えて『御裳濯和歌集』と複雑な関係を有する『神宮正権祢宜和歌』(内務省神社局本)・『二十一代集抜萃』(神宮文庫蔵本)などの資料を翻刻、さらに、全資料に対する研究篇を補足する。
作品間の問題を精確に解明する一助となるだけでなく、宗教と和歌との関わり合いを論じるという点で、重要な意義と必要性を持つ一冊。
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