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2018年4月に東大で開催され大反響を呼んだ、歴史学研究会総合部会例会シンポジウムの成果がヴァージョン・アップされ、350頁という分量、かつお求めやすい価格での本として登場しました。
2019年5月になされる明仁天皇の譲位(退位)は、終身在位を想定してきた新旧の皇室典範の制度によらない、新たな皇位継承の事例の幕開けとなります。明治、大正、昭和と続いた三代の近代の天皇とは異なる、天皇の代替わりがなされる時代に、私たちは生きていることになります。
考えてみればこの度の天皇の譲位は、生身の身体を持つ天皇と、「皇位」という位置づけを持つ天皇というものが、近代になって以来初めて一体のものではなくなる瞬間が訪れたという事態にほかならないのです。大きな変化といえましょう。
ならば、歴史上、天皇の存在はいかに位置づけられ、継承の法式はいかに変化してきたのでしょうか。また天皇自身は、政治や社会の変化にいかに対応しようとしたのでしょうか。この「問い」を、まずは、各時代各領域の第一人者による論文・コラムによって通史的に深くとらえ、さらに、アジアの君主制、ヨーロッパの王政の比較史的視座から、決定版的な論文・コラムによって総力を挙げて迫ったものが本書です。
世襲王政の一つの形式として位置づけられる日本の天皇制は、例えば中国の漢代・唐代の皇帝制度とは大きく異なっています。また、世襲と選挙という二つの王政の原理を持つヨーロッパから見た場合、日本および日本人が天皇に対して抱いている歴史認識は、あまりにも世襲を前提とした認識に見えるようです。歴史を縦と横から見ることで、歴史における天皇の位置づけが初めて明らかにできるのではないでしょうか。
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