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固有名はその対象と不可分に結びついた唯一無二のものである一方で、代替可能な単なる記号でもあるという両義性を有する。固有名を介して、現実と虚構が接続される。本書は中世から現代までのドイツ語圏の文学における固有名の機能を、〈産出性〉、〈虚構性〉、〈否定性〉という三つのキーワードのもとに、解明する。
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