自己概念のゆらぎ

新潟大学人文学部研究叢書

自己概念のゆらぎ

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出版社
知泉書館
著者名
福島治
価格
4,400円(本体4,000円+税)
発行年月
2019年2月
判型
菊判
ISBN
9784862852908

自己とは何か。心理学は,この深遠でとらえどころのない問いを「人は自分をどのような人物として理解しているのか」に置き直し,自己の姿に関する自己自身の意味的解釈である自己概念に対象を絞り,「慎重な」「外向的」など,言葉により把握される特性自己概念の研究を進展させてきた。本書は,19世紀のウィリアム・ジェームズに端を発し,アメリカを中心に発達してきた心理学の成果と学説史の流れを丁寧に解説しながら,独自の実験と分析に基づいて,自己概念がなぜ変動するのか,その特徴と要因を明らかにする。
自己概念は,他者との相互関係における振る舞いを通じ他者に抱かれたイメージが鏡となって自己自身に映し返されて形成される。多様な他者との関係があれば,様々な自己イメージが作られ,多面的な自己概念を形成していく。こうした自己概念の変動や分化は,一見,不安定な動きに思えるが,実際にはダメージを避けて,精神的安定を生み出す。著者はこの点に立脚し,他者に対して自己のイメージを操作する自己呈示,人の基本的動機である自尊心や,サイコパスとマキャベリアニズムと合わせ暗黒三人格と呼ばれる自己愛にも触れつつ,自己と他者の相互作用と自己概念との関連を考察する。
誰しもが常に感じる自己意識や自己概念は,どのように形成されるのか。心理学の手法により,その実態を解明する基盤的な業績である。

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