連続殺人犯

文春文庫

連続殺人犯

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出版社
文藝春秋
著者名
小野一光
価格
924円(本体840円+税)
発行年月
2019年2月
判型
文庫
ISBN
9784167912314

残酷にもほどがある!
凶悪殺人犯を取材し続けた男が、もっとも戦慄した10人の肉声とは?

新章 筧千佐子(近畿連続青酸死事件)を増補!『殺人犯との対話』を改題。

誰でも一瞬の激情にかられて人を殺してしまう可能性はある。だが何度も、何人も殺害してきた連続殺人犯は、「悪に選り分けられた者たち」ではないか――?
数多の殺人事件を取材してきた著者が、拘置所の面会室で、現場で、ゾクリと震撼させられた10人の連続殺人犯の声を綴る。

「蚊も人も俺にとっては変わりないと」(北村孝紘・4人殺人)
「私の裁判はね、司法の暴走ですよ。魔女裁判です」(松永太・7人監禁殺人)
「ふざけんなっ。おら、フイルム出せって言ってんだろが」(畠山鈴香・2児殺人)
「頭のなかが真っ白になって、逃げ出したかった」(下村早苗・2児虐待死)
「私の『生』そのものがあるべきではなかった」(山地悠紀夫・姉妹強姦殺人)
「血が汚れている」(角田美代子・8人殺人)
「どこでくらしても、女ですもの。女ですもの……」(筧千佐子・4人殺人)

解説・重松清

CASE 1 北村孝紘 【大牟田連続4人殺人事件】
「きさんか?(貴様か?)つまらん記事ば書いとうとは」。面会室で罵倒してきたのは、金目当てで4人を殺した「史上最凶一家」の次男。だが面会を重ねるうち、暴力団一家に育った男は意外な表情を見せ、ある頼み事をしてきた。

CASE 2 松永太 【北九州監禁連続殺人事件】
「先生、私の裁判はね、司法の暴走ですよ。魔女裁判です」。饒舌に、にこやかに語る男は、自らは手を下さずマインドコントロールで一族7人を監禁し、殺し合わせた。悪魔とは、意外とこんな屈託のない存在なのかもしれない――。

CASE 3 畠山鈴香 【秋田児童連続殺人事件】実の娘と近隣の男児との連続殺害容疑がかかる“被害者の母”は、つめかける警察と報道陣に、「ふざけんなっ」と取り乱した。憑依されたかの如き爆発、沸騰した体温を至近距離で感じて、私はなぜか確信した。これは殺っている――。

CASE 4 鈴木泰徳 【福岡3女性連続強盗殺人事件】
愚かなのか、恐るべき無自覚なのか。男が3人の女性を強姦・強盗目的で殺害したのはトラック配送業務中。しかも被害者の携帯電話を奪い、アダルトサイトに利用したことで犯行が発覚した。尋常でなくキレやすい男の足跡を追う。

CASE 5 下村早苗 【大阪2児虐待死事件】
真夏のマンションに閉じ込められ、脱水と飢餓で2児が死亡。だが風俗嬢の母はその間も遊び歩き、SNSに投稿していた。世間を震撼させた犯人の実父が今ようやく語りはじめる。彼女もネグレクト(育児放棄)を受けていたことを。

CASE 6 山地悠紀夫【大阪姉妹殺人事件】
「母親を殺したときのことが楽しくて、忘れられなかった」「死刑でいいです」。無辜の姉妹

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