取り寄せ不可
サラは、生死の境をさまよっていた。
数時間前までは雪に覆われた厳寒の道をひた走っていたはずだ。
孤高の男性、マッケンジー・ホークに会うために。
行方不明になった兄を救えるのは彼しかいないと……。
やがてサラは、ぼんやりと意識を取り戻した。
瞼を開けると、燃えさかる暖炉の前に逞しい男性の影が見えた。
人を拒絶したような寡黙な背中に、思わず胸が締めつけられる。
ひどく傷つけられて、何も感じなくなった虚ろな瞳――
彼は振り返るや、とりつく島もなくサラに告げた。帰ってくれと。
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。