私の後始末

ポプラ新書

私の後始末

取り寄せ不可

出版社
ポプラ社
著者名
曽野綾子
価格
880円(本体800円+税)
発行年月
2019年1月
判型
新書
ISBN
9784591162064

老年の多くの苦しみは、
人間の完成のための試練である……。
5万部のヒットとなった「人生の値打ち」に続く、
曽野綾子さんの待望の新刊。

どうやっても思い通りにならない「厄介な時代」なのだから、
むしろ、自分を強く持ち、孤独を怖れず、
本音で老いを愉しむための一冊。

これまでに曽野さんが長年に
わたって出された数多くの書籍から、
特に心に響く文章を269集めました。

§ほとんどのことは「たかが」と思う
§暮らしぶりの優劣と幸福は関係ない
§持っていないものを数えない
§人生は「こんなはずではなかった」の連続
§幸福を感じる能力は、不幸の中でしか養われない
§「させられる」を「してみる」に変える
§「手抜き、ずる、怠け」を上手に使う
§清流だけでなく、濁流にも身を置く
§大切な人生の選択は損得で決めない
§余生の感覚ができると、見方に余裕が生まれる
……

(本書前書き)
 いつの日からか、「その日、その日」を
どうやら生きてしのいでいけば、
それで人生の「今日の日」は成功だったのだ、
と私は思うようになっていた。

こんな性格だから「後始末」が
完璧に終わることなどないだろう、
というくらい最初からわかっていた。

しかし人間は、時々、そしていつも、
少々体裁のいいことを言いたがる。
つまりいつの日か、
健康で時間さえあれば、
すべての身辺整理の後始末はつくような
言い方をし続きていくものなのだ。
人間の向上心、善意なるものも、
往々にしてそのような空虚な言葉で
時間稼ぎをしている。
しかし何にせよ「稼げる」という行為は大したものだ。

これもまた物議をかもす言い方だろうが、
万引きだってスリだって、
その犯罪的な行為によって稼げなければ、
その人は生きていけない。
生きていくということは、
しかし人間を認める大前提なのだから、
世の中のことは簡単に言えなくなる。

希わくば、この世のことはあまりこんがらがることなく
とにかく終わっていくことを、
私はひたすら望んでいる。
私という人間が生まれて、長生きをしてしまった以上、
後始末がせめて簡単に終わりますようにと願っていたら、
こんなメモの片々が手許に残った。

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