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バブルの絶頂期に始まった「平成」は30年の時を重ねて終わろうとしています。平成の始まりである1989年は、東西冷戦構造の崩壊という世界史的出来事があっただけでなく、わが国労働運動史上、労働界が再編され日本労働組合総連合会(連合)の発足した年でもありました。こうしたなか、わが国労働運動の金看板ともいえる「春闘」も、この30年の間に大きな波に洗われました。バブル経済の崩壊後、多くの金融機関が経営危機に直面しました。その後、世紀の変わり目にはグローバル化の風圧が強まり、「春闘」はこの後、超円高,ITバブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災など、さまざまな社会経済の激変によって揺さぶられ続けてきました。「春闘」は二度の「終焉」に直面し、メディアからは「賞味期限切れ」と揶揄されながらも、アベノミクス以降は、賃金の引上げがデフレ脱却の切り札との期待から、久しぶりに世間の注目を集めることとなりました。そして、拡大した中小企業と大手との規模間格差、正規・非正規間の雇用形態間格差の是正に向けた取組みの比重を高めてきました。本書は平成30年間の「春闘」を振り返ることによって、あらたな「春闘」の方向性を考えるための参考になるよう編纂しました。
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